P.T.A会員で本当によかった。

2018年2月15日

Perfumeとあなたホールトゥワー』

行ってきました。2018年のPerfume初めです。

今回のLIVEは、なんと言ってもファンクラブ会員、つまりP.T.A会員のみが参加できるものとなっておりまして。ファンクラブ限定LIVEは、なんと8年ぶり。8年前のライブタイトルは「パッと楽しく遊ぼうの会」でした。

はじめて行ったLIVEがこの「パッと楽しく遊ぼうの会」でした。場所はZepp Tokyo。当時、高校2年生で、普段は鹿児島で寮生活しており、実家は兵庫県。その時、たまたま春休みで、大学受験の為に長期の休みは東京の予備校に通うことになっていて、その下見の為に東京に行く予定がありました。その一方で、love the worldDream Fighterで完全にPerfumeにハマってしまい、ファンクラブに勢いのまま入っていたのです。そして、たまたま見かけたファンクラブ限定のLIVE。そして、さらにその日に東京にいることが分かっていたので、まさか当たらないだろうと思い、申し込み。結果、当選。

東京にビビリながら、ライブハウスという空間にもビビリながら、初めてのPerfumeにも若干緊張しながら参加したLIVE。すごく近くで3人を観て、「ナチュラルに恋して」に完全KOされました。(思えば、あの時から一度もLIVEで聴いてないような…)MC中に「初めてきた人ー?」と聞かれ、「周りに詳しい人いっぱいおるけん、分からんことあったらききんさいね」と言われたり、終盤には隣の人と肩を組む流れもあったような気がする。

とにかく「一体感」があった。

それから8年。

今回の『Perfumeとあなたホールトゥワー』。

会場はZepp Tokyoから幕張メッセへと変わった。

規模だけで言うなら、数倍。それに回数だって、幕張は3ステージだ。

8年という月日の大きさは分かりやすく形となって表れている。すごいなあ。こんなにもファンいるのかよ…(今までで一番遠かった…泣)

今回のホールトゥワーが2/14.15の開催されたのは、Perfumeの持つチョコレイト・ディスコというキラーチューンとバレンタインデーの相性のよさ、そして2/15があ~ちゃんの誕生日だったからだろう。この二日間にLIVEやるよな、そりゃ。最近気付いたけど、あ〜ちゃん、前よりもトークの尺がキュッとしてる。トークの技術、アーティスト随一だと思う。

今回のLIVEの終盤で、「こんなセットリストのLIVEもう二度としないだろうから、こんなことがあったよ~。こんな話があったんだよ~って言っていいからね」と話すあ~ちゃん。いつからか、PerfumeのLIVEに関しては、ネタバレが一切禁止になった。禁止と文字にすると、とてもお堅いネガティブな印象になるのだけれど、実際は、

あ~ちゃん「まだLIVEは続いてて、これからLIVEに来る人らはきっと楽しみにしとるし、驚かせたいけん、その人らのために演出とかどんな曲やったかはあれに(手振りつけながら)書かないであげてほしいの」

方言ってやっぱりすごい力があると思う。『アメトーーク』で「きつそうなことでも方言で中和される」と大悟がノブのツッコミについて解説していたが、まさしくその通り。言い方に一切のとげとげしさもいやらしさも説教臭さもない。その結果、LIVE後の感想を調べてみても、いつもネタバレをしないように配慮されたやさしい感想たちが「#prfm」にあふれている。正直言ったら、セットリストをだれも書いてない状態なら、書いたらいいね貰えるかもしれないじゃないですか。セトリ気になって仕方ない人もいるだろうから。でも、その承認欲求よりもPerfumeの3人、そして他のファンへの配慮からそれを誰もしない。このPerfumeとファンの関係性、尊いなって思うんですよ。で、今回も2/14と2/15の昼・夜とありましたが、夜公演であ~ちゃんがさっきのように言うまではだれもセトリを言うことなく、オッケーが出た途端それぞれが感想を言い合う。今回はしかもP.T.A会員限定だったわけですよ。本当に、尊いなと。

今回のLIVE、入場の際に、チケットと、P.T.A会員証と、顔写真付きの身分証のチェックがあるという徹底ぶりだったんですよ。これも、「ネタバレ厳禁」同様文字にすると、結構きつめの印象ですし、ここは3人が何か言及するということもなかったのですが、これはやっぱり、P.T.A会員とPerfumeだけでのLIVEを実現するためにやらなくてはいけなかったことだと思いますし、そのために嫌われ役を買った「おとなたち」(あ〜ちゃん曰く)の本気のチェックは結構うれしかったんですよね。あの時の幕張メッセイベントホール内って純粋な一つの共同体のような感じで、それを作り出したのは3人とファンの信頼関係だったのだと思います。

P.T.A会員限定と聞いたときは、いつものように友達を連れて行ったりできないしP.T.Aに入っている友人もいないので、ぼっち参戦辛いなって思ってたんですけど、いざ行ってみたら、結構そんな人が多くて自分の前後左右みんな一人でした。で、気づいたんです。より連帯感が生まれ、ひとりだったのにむしろ少しはしゃぎやすかったような。

そうか、だからこそ「Perfumeとあなた」なんだな。

初めての一人で行ったLIVEを思い出しました。ひとりでLIVEに行ったときって前を見るしかないんですよね。前というかステージというか。Perfumeを見るしかないのです。なんか、こう、うまく言えないのだけど、それがとてもLIVEの熱を高めていたような気がするんだよなあ。本当に、PerfumeとP.T.Aだけの会話のみで成立していたように思えて。

だからこそ、P.T.Aが選んだLIVEで聴きたい曲ランキングトップ10をセットリストに出来たんだと思うし、10位から1位へと披露したんだと思う。普段なら最後に歌うやつ、真ん中で歌ったりとか。絶対的な信頼。(Puppy love聴きたかった…)

セットリスト観ても、テレビで披露したことない曲が多く、マニアックなセレクション。(初めてLIVEに参加した人、意外とおったけどw)

個人的に、MY COLORが最高で、その後のPerfumeでLIVE終わっちゃうんじゃないかと思うほどテンション上がってしまいました。

にしても、お互いに理解し、信頼し、愛してるからこそのLIVEだったと思う。何度も言うけど、その為にP.T.A.だけにこだわったスタッフさん含めて本当に感謝です。

そして、その空間の中に居られたのはP.T.Aに入ったからで、本当にPerfumeを好きでよかった。

Perfume好きであることを誰かに話すと、よく聞かれることが2つある。

・「誰推しなの?」

・「何がいいの?何で好きなの?」

1つ目に関しては、最近は「3人がいいんですよね」と言ってる。まあ、もともとのっちから入ったんだけど、今やそんな感じでもないから。この質問、真っ先に聞かれるなあ。そろそろめんどくさい。。。

1つ目はまあ別にいいんですけど、2つ目に関して、ずっと悩んでたんですよ。正直言って、答えに困ってた。

「音楽が好きだ」と言っても別にテクノが好きだったわけでもない。「ダンスもすごいし」と言ってもダンスに精通してるわけでもない。最近だとMIKIKO先生やライゾマの活躍によって「最新のエンタメだから」みたいに言うことが多くなったけど、MIKIKO先生やライゾマをテレビで見るのも、どこかでPerfumeについての話が出るのでは?と思うからだ。

「説明できることと、好きなことは違う」と言うのは、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』での台詞だったか。確かにそう思う。なんだけど、やっぱり「どこを好きなの?」と聞かれるとなにか答えたいじゃないか。

でも、昨日なんか突然答えがでた。

Perfumeを好きなのは、楽しいから。

すごくバカっぽいんだけど、結局それだけのことだった。

楽曲も、振り付けも、最先端な演出も、やっぱり楽しいから好きなんだし、昨日のライブで思ったのは、3人が話してるのを見てるだけでも楽しい。飽きがこないし、ワクワクできるし、楽しい。好きでいることが楽しい。それは結局のところ、あの3人だから、というところになる。だからこそ、他の人に説明なんて出来ないな、と思う。

それだけなんだ、と思った。

でも、そのシンプルな答えが真理だと思った。

好きだから楽しいし、楽しいから好き。

 

 

本当にP.T.A会員でよかった。

まさか8年もファンでいるとは思わなかったな。あと、何年続くのかな。

「ずっと大好きじゃなくてもいい。最近ちょっと熱下がってたけど、また上がっちゃいました!でも全然良いからね」なんて言われるとさ、辞められないよなあ。

 

 

海浜幕張駅まで早歩きで向かう人々の中で、ひとりそんなことを考えていた。

 

(the best thingとedgeがワンツーとは予想だにしてなかった。まだまだだなー。俺、ジェニーはご機嫌ななめ に投票してた気がするよ。
無限未来ののっちのワンフレーズ目がめちゃくちゃカッコよかったし、Hurly Burlyのかしゆかもすごくよかった。)

 

 

漫才性の違い

昨晩の Cygames THE MANZAI2017。

今この国のお笑いを支配しているのは松本人志とCygamesだろうな、なんて。

オリラジあっちゃんの発言。

そういえば皆さん、『天下を獲る』『天下を獲る』って芸人さん言わなくなっちゃいましたよね?
じゃあ『天下』って何なのか。私はこの数年間、M-1に優勝したり、番組のMCに抜擢されることを『天下を獲る』ことだと思ってたんですね。
だけど本当は違っていた。違ってたんですよ。
数多の実力のある芸人さんが『天下』を獲ろうとした、でも本当の意味では獲れなかった。
じゃあどうして獲れなかったのか。
各ジャンルのお笑いの大会を思い返してみましょう。漫才、M-1の審査員席に座っているのは誰なのか。コント、キングオブコントの審査員席に座っているのは誰なのか。大喜利IPPONグランプリトーク、すべらない話!一発ギャグ、笑ってはいけない24時!!
そうだよ、そうなんだ!!
何にしたってもそこに必ずあの人がいるじゃないか!!
あの人が『何が面白いか』っていう価値基準を決めてるじゃない!!
つまりさ、『“何が面白いか”っていう価値基準を決められる』、それが『天下を獲る』ってことなんだよ!!
そんなところで優勝なんかしてさ、『認められた』ってもさ、『天下』は獲れないじゃない!!
じゃあさ、本当に『天下を獲る』ためにはどうすべきか!!

……そう、そうなんだよ。
『天下を獲る』ために、オレたちがやるべきことはただ1つ!
松本人志、その人を倒すことだ!!!

https://blogs.yahoo.co.jp/poketto_1120freedom/40556828.html より)

ここに、女性芸人No.1決定戦「The W」までも入ってきた。日本テレビのやり方について思うところはなくもないけど、なんだかんだ、やっぱ上手いなと思います。

こうなると、もうR-1もやってしまえと思うけど、松っちゃんの中でのお笑い「個人競技」はおそらくドキュメンタルになるだろうから、ないでしょうね。

それと、CygamesM-1THE MANZAIキングオブコント、R-1のスポンサーで、完全にCygames がいなかったらどうなってるのだ、、。驚いたのは、テレ東の「にちようチャップリン」のスポンサーもしている。「にちようチャップリン」のグランドチャンピオン大会の賞金300万円て。確実に日本のお笑い界を支配してるといっても大丈夫。過言ではないです。

ちなみに、自分はゲームをしないけど、「プリンセスコネクト」のCMの曲がとにかく好き。なんか耳に残る。それも、なんで耳に残ってるかと言うと、ネタ番組をリアルタイムで観ると死ぬほど聞くことになる仕組みになってるからだ、とようやくわかりました。

 カナリア

カナリアが先日、解散を発表しました。M-1 2010ファイナリスト。時間があったので、久々にM-1の時のネタを見ようとしたのですが、彼らのネタって権利の都合でカットされてるんですよね。DVDでは、カットされてるの分かってたんですが、Amazonプライムでも見れないんですね。仕方ないなと思いつつ、そのままAmazonで過去のM-1色々見てました。あらためて気づいたこともあって、2007年は得点の上下差の開きがとてつもなく多かったことや、2008年のトップバッターのダイアン、すごい面白い、とか。あと、衣装が今ほどフォーマルな感じじゃなくて結構粗かった。あと、松ちゃん、POISON GIRL BANDに結構高得点つけるなあ、と思った。

M-1直後のラジオ「ダイアンのよなよな」でラストイヤーの話になり、「最後、そんなに気合入れて2回戦落ちとかやったらどうする?」という津田の問いに対して武智「カナリアさんか」と言っていたことは書かなくてもいいけど、書いておきます。

なんとなく、「漫才性の違い」ってワードはボケの安達っぽいなと思ってたけど、ボンちゃんの言葉でしたね。

t.co

THE MANZAI

で、THE MANZAIのお話。

今回から、ネタ前に各コンビのVTRが少し入るようになりました。あのVTRが入っただけで番組としての格がグッと上がったような気がしました。不思議です。今後もするでしょうな。

あのステージに立つには、チャンピオンである、圧倒的にお茶の間の顔なじみである、過去のTHE MANZAIビートたけしから褒められた、そしてプレマスターズから上がってくるこの4つの場合しかありません。そして、ENGEIグランドスラムと違い、こちらは漫才のみ。こんなこと言っちゃダメなんでしょうけど、やっぱり、上位3組くらいに賞金出してほしい。。。まあ、もうお金で本気出すような次元の人たちじゃないってのは分かるんですけど、収録日が二日あって、お客さんも違うし、なんか、こう「誰が一番面白かった」みたいなのを決めて見てほしい気もする。ゴールデンの冠番組とかならいいのかな。ただ、やっぱり、チュートリアルフットボールアワーおぎやはぎ、何かのネタはテレビはおろか舞台でもなかなか見れないから、やっぱりうれしいですね。特にチュートリアルは、あの2006年のM-1の時のネタの雰囲気がありながらも、ちゃんとした新ネタで、ゴリゴリのお笑い番組よりも華やかな番組で目にすることが多いから忘れられがちだけど、やっぱりとんでもない芸人ですね。そろそろ、ブラマヨさん、出ておくれ。。。フットボールアワーの漫才は常に構成力が高いなって思うのと、あれだけ後藤が司会で売れてるのに漫才の時にはのんちゃんと50-50の関係なのがすごくいい。それに対して銀シャリはボケ対ツッコミが4:6くらいの時が一番好きで、M-1から解放されてますます二人で楽しそうに漫才やってるの最高過ぎます。

THE MANZAIの最高傑作こと、ナイツ&ウーマンラッシュアワー

THE MANZAIで一番注目してしまうのはこの二組。ナイツはいつだって最高で、変化してくる。今回のネタは、自分たちのネタに飽きたからツッコミを変えてほしいと促して、他人のネタへと寄せていく。タカアンドトシ、カミナリ、オードリーというTHE MANZAIだからこそのチョイスと、普段絶対に叩かない土屋だからこそのチョイス。土屋のカミナリ・たくみ君が声質が似ていることもあり爆笑してしまった。ナイツはM-1 2008から2010まで出ていたが、インパクトとしては THE MANZAI 2011で、「のりピー」ネタをやったことの方が上で、あの年にナイツは漫才師としての格が一つ上がったと思ってます。

そしてそして、数日たっていまだに話題となるのがウーマンラッシュアワー

去年のTHEMANZAI2016で披露した「ファンクラブ」のネタは凄くカッコ良かったです。ワイドショーによってひどい目に遭わされた人をいじりながらも、ワイドショー側をも痛烈にいじってて。で、今回は漫才のパターンは同じで、ネタの内容は、「辺野古」「仮設住宅」「北朝鮮」「アメリカ」「日本」と、まあ政治色の強いものだった。ネタとしては去年の方が面白かったんだけど、話題になってるのは今年の政治風刺なネタ。一番は国民意識というところの皮肉に持っていくのがさすが、らしいなと。それは、漫才の面白さという評価軸ではなく、ゴールデン番組で思いっきり政治風刺をしたネタをしたことの是非について話題になってる。その議論に持ち込んだ時点で今回のTHE MANZAIで1番再生されるのはウーマンラッシュアワーだと思うし、勝者だと思います。

ウーマンラッシュアワー、特に村本は、常日頃から舞台の漫才は芸歴とか一切関係なくて、マイクの前では全員平等。その中で一番面白いのは俺だって普段から熱く語ってて、実際ルミネとか劇場でのウーマンラッシュアワーってホンマにすごいんですよ。あの早口、とんでもない声量でやってたりするし迫力が随一。で、今回のTHE MANZAI前も俺が一番面白いからなってAbemaの「THE NIGHT」で言ってたんですけど、ゴールデンの日本一の漫才番組で政治風刺をしたことが一番の見所になってて。確かにテレビのワイドショーがあまり言わない事実を伝えたことは大きいんだけど、あのネタが単なる街の人の声を拾いあつめたものに終始してる気がしました。ただ、ウーマンラッシュアワーの場合、拍手笑いがおきるのでなんの問題もないんですよね。うまい。

たとえば、これで、来年めっちゃアホなネタやったりしたら、ますますすごいなって、全員を欺いてくるなあと思いますし、あくまで今回のは一つの提案、主張だったと思うので、否定することは全くないし、姿勢は見事だと思います。

ただ、あのネタ、ほとんどをパラダイスに言わせてるのが、悪いな〜って思いますが笑

キングコングの同期

でも、誰も行ってないところを走るカッコよさを認めてない人はいないし、それが特に村本含めたキングコングの期には特に多いですね。キングコングNON STYLE、ピース、平成ノブシコブシウーマンラッシュアワー村本、南海キャンディーズ山里。そしてここにとろサーモン久保田がついに加わる。吉本以外なら、オードリーもいる。「ミレニアムズ」は無かったことにして、全員勢揃いさせた番組を何かやってほしい。番組じゃなくてもいいんですけども。新しい「芸人」観が構築されるとするならば、、絶対この世代しかないと思うので。

 

つまるところ、例えば、ウーマンラッシュアワーのあのネタに賛否が分かれるのも、M-1ジャルジャルをどう評価するのも、全ては一人一人の漫才性だと思うのです。

漫才に対する定義が芸人の間でさえも千差万別なのですから、観ている素人の我々がどう感じるかなんてもっともっと幅の広いものになるでしょう。でも、それで、それこそが漫才というものが日本に根付いた1番の要因なのだと思います。

唯一のルールは、センターマイクの前では、全員平等。

それ以外は、みんな違ってていい。

 

と思います。

 

 

 

 

Perfume Closet についてのあれこれ。

Perfume Closetは、完璧な計算で作られた楽園】

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今回は、Perfume Closetについて。このプロジェクトがちょっとすごいことになっていくんじゃないか、とおもっているところまで書けたらな、と。

まず、なんで書くかですよね。

理由はただ一つ。Perfume Closetについてのインタビューをされて、それが放送されたから。

で、そのインタビューで喋ったことが結構Perfume本人も言ってたりしたので、じゃあ自分の思うところでも書いてみようかなって感じで。

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何日か経ちましたがまだ浮かれてます。結論はまあここに書いてある通りです。

あと、来年2月のP.T.Aツアー(2/15幕張)に一人で参戦することが決まって、心細いからもし良かったらPTAの誰か仲良くなってね、的な意味合いもね、あるよね。うん。これは小文字で言うよね。

以下、公式HPより

Perfume Closet」は、Perfumeの楽曲を通して皆さんと繋がれる洋服を創りたい
という発案のもとプロジェクトがスタートしました。
日々過ごしている日常の中で、洋服やアクセサリーを身に付けることが、
ときに自信を持って一歩を踏み出せたり、背中を押してくれるようなきっかけになる。
そんな力をもらえる洋服を皆さんと共有したい。
そういった"想い"が込められています。

今回の「Perfume Closet」では、『Spring of Life』や『FLASH』の衣装から着想を得たブラウス等のレディースアイテムから、ユニセックスで着用出来るブルゾンやパーカー、パンツ等が並びます。

アイテムのラインナップや発売日、購入方法などの詳しい情報は追って発表いたします。

今後の展開に是非ご注目ください!

 

まず、このアパレルプロジェクトがファンに対してとても優しく、そしてこれまでのPerfumeの積み上げてきたものとこれからの可能性が溢れまくってるという面で、今のPerfumeが打ち出す最適解だったんじゃないかと思いました。

いまさら、Perfumeがだれもやっていないようなことに意欲的にチャレンジするグループであることは今更、説明は不要だろうと思います。(一応、こっちも見てくれれば嬉しきこと。)

Perfume×docomoの見せた「新しい地図」 - HIGH-SGHOOLhighsghool.hatenablog.com

 このdocomoのプロジェクトでは「距離をなくせ」ってことで物理的空間的距離を0にしたけど、今回のPerfume Closetは外見においてのPerfumeとファンの距離を無くし、日常と非日常の境界を無くすことに成功するのではと思うのです。

[ありがとう、ユニセックス

今回のPerfume ClosetはPerfumeとファンが主人公だと思うので、ファン層についてのお話。

そもそもPerfumeって、アイドルの要素で出発したと思うんです。アイドルの定義とかをいろいろ考えると難しいしやたらと厄介なんで省きますけど、でも「Perfumeって何者?」ってなった時、とりあえず「アイドル」って答えが多いと思うんですよ。これの是非はともかく。(俺はすごく良いことだと思ってます。)『ポリリズム』で世に出て、『love the world』『Dream Fighter』で一気に人気者になった。この頃って、肌感覚として、男性ファンの方が多かったと思うんです。でも、今、現在、年々、女性ファンの割合が高くなってるんですよ。従来は、アイドルとファンって対角線で結ばれてたと思うんです。男性アイドルには女性ファンが、女性アイドルには男性ファンが。みたいな。いわゆる「疑似恋愛」的な。でも、それが縦にも結べるようになってきてたんじゃないか、と。特に、女性アイドルと女性ファンの関係性において、「あんな風になりたい」という憧れの線で結ばれるようになったんじゃないか。その線を意識してるアイドルは男女両方から人気出るから強いよね。で、そのメインストリームにいる乃木坂46が今天下を取ってるのは当然っちゃ当然になるわけです。

で、その「なりたい」って気持ちを、女の子のファンたちは、まず衣装やダンスを模倣することで、近づこうと努力するわけですよね。まあ、もっともPerfumeの3人はデビューの頃から髪型(容姿)が変わってないから、憧れる対象としてブレがないところもまた真似しやすい要因かも。また、そこの流れをくみ取るのがPerfumeはずば抜けて上手いんだなと思います。LIVEのMCブロックの時に、楽曲の衣装をコスプレしてきているファンの子たちと積極的に絡みます。

「それは、つくってきてくれたん?」

「それって、どっかに売っとるん?」「正規じゃないもんねえ」

というあ~ちゃんの発言が、2017年の今つながったように思います。

そうした流れをくんで、まず、2015年に『Pick me up』のタイアップで伊勢丹と共同で「Perfumeダンスヒール」を生産しました。これが、後のPerfume Closetにつながってくるんですけど、メンバー監修のもとでの生産です。これが、メンバー監修って、ちゃんと自分たちの責任としてやるところが説得力を増します。

isetanparknet.com

これも、凄く秀逸だったのが、Perfumeが歌って踊るときに履いてるヒールだから、たくさん動いても痛くならないという長所があり、ファン以外の人たちが手に取るきっかけになっていたところだと思います。これが、Perfumeとファッションの繋がりの契機だと思います。

で、ですよ。今回のPerfume Closet。男性として言わせてください。本当にありがとうございます。と。言っても、コスプレとかヒールとかって女性の特権なわけですよ。男性が踏み込めないエリア。LIVE会場でごくごくたまに男性でコスプレしてる人もいるんですけど、やっぱりできないじゃないですか。だから、このプロジェクトをユニセックスにしてくれて本当に良かった。プロジェクトに乗れる。本当にありがたい。

そして、ヒールの場合は日常的にも使うことが出来るんですけど、コスプレは圧倒的非日常だから、そのLIVEの時限りになってしまって、技術もいるし時間も予算もかかるからコストパフォーマンスがあまり良くない。

そもそも、PerfumeのLIVEグッズって、ちゃんとそういうところを考えてあって、普段から使えるようなデザインになっているものが多いんですよ。

www.asmart.jp

 

結構LIVE Tシャツとかって、そのLIVEの時は着たけど、つぎのLIVEではまた新しいものを買ってそっちを着るじゃないですか。で、最後普段着れないからパジャマとかになってしまう、みたいな。そこを考えて普段使いに対応してるのはすごくファンに優しいと思うんです。でも、LIVEグッズだから、Perfumeの楽曲の世界観が現れているわけではない。

それだったら、ちゃんとお金をかけて、ブランドとして、日常から着てもらえるアパレルラインを作ってしまおうって発想、めちゃくちゃ優しいと思うんですよ。で、これ、またPerfumeファンにはこれがPerfumeの服って分かるし、そうでない人には普段着に見えるからちゃんとした、ファッションとして機能する。

あの、僕結構妄想癖があるんですけど、街中でPerfumeと偶然会った時に、ファンであることを示したいじゃないですか。有名人だから声かけたなんて思われたくないわけですよ。だって、ホンマにファンやもん・・・でも、考えてみてくださいよ。Perfumeと出くわす場所なんてきっとオシャレタウンじゃないですか。そんなところにLIVEグッズで出かけるって発想にはなかなかならないじゃないですか。それ考えたら、普段から使える服あったら、大チャンスですよ。もう、Perfume Goやるレベルで街に出たくなる。(ちょっと前に街中でたまたま阿部慎之助を見かけたんですよ。阿部のタオル、家にはあるんですよ。でも、その日持ってなかったんです。悔しかった、あの時は。)

で、ライブグッズはライブグッズで今度はお土産として、機能するので、需要を食い合うことはないと判断したんだと思います。この辺はキングコング西野がめちゃくちゃ詳しく喋ってるのでぜひ。キングコング 西野 公式ブログ - 『体験×おみやげ』の時代へ - Powered by LINE

 

この見える人には見える感覚、というか。Perfumeファンには「同志」を見つけるアイテムになり、ファンでない人には、ただのファッションとして機能する。これ、服が言語になってると思うんです。コミュニケーションツールに慣れてしまうというか。そう考えたらなおさらユニセックスで正解ですよね。で、なおかつこれ、結構未来的なんじゃないかと思うんです。そしてそして未来の話で言うと、ここにいずれライゾマティクスが絡んできますよね、きっと。

Perfume ClosetがNEWS ZEROで取り上げられて、その際の自分のインタビューがオンエアに乗ってそれをみた親から連絡がありました。

母親「どんな服買ったん?ロンTとパンツ? なにそれ、服から音出たりするん?」

「そんな服ありえへんやろ」って咄嗟に返してしまったんですけど、ちょっと待てよ・・・

チームPerfumeなら全然あり得るんじゃないのか???

 

それこそ、今Perfumeが取り組んでるARやらVRの分野なんか結構すぐにファッションとコラボできるんじゃないですかね?Tシャツをカメラでかざしたら新曲流れる的な。同じブランド同士がすれ違ったら何か起こる的な。それこそ、ZOZOがZOZO SUITを無料販売していますけど、あれも、ありえないと思われてたことを技術の力でやってますし、2020年に会場全員が何かしらの技術を纏った衣類を着ている可能性ぜんぜなりますよね。どうでもいいけど、ZOZOと2020似すぎてますよね

そんなこと考え始めたら、このPerfume Closetこれからどんどん大きくなる未来しか見えないです。今回の第1弾、出発としては上々だと思います。そして、次に何が起きるのか楽しみです。個人的には、「NIGHT FLIGHT」「未来のミュージアム」はLIVE会場でコスプレしてる人が結構多くて、しかもかなりかわいい衣装なので、第2弾で是非是非やってほしいです。あと、「光る衣装」くらいからPerfumeの衣装への注目度は増したと思うし、それくらいわかりやすい代名詞の洋服ができたら、ファッション界も大きく変わってしまうような気がして、楽しみですね。

 

ちなみに今現在伊勢丹ではMAISON Perfumeを展開してて、Perfume Closetとか、伊勢丹とのコラボグッズもあるので、是非是非行ってみてくださいまし。

Perfume_Staff on Twitter: "Perfume × 伊勢丹 コラボレーション第4弾 "MAISON PERFUME"が全国9店舗で開催中です!! ⇒伊勢丹新宿店・伊勢丹立川店・ジェイアール京都伊勢丹・isetan Closet(大阪)・ISETAN HAUS(名古屋)・ISETAN HANEDA STORE(L… https://t.co/DvvwusiUjg"

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この二つ買いました。

 

M-1グランプリ2017 ジャルジャルの時代を待つ。

【史上最もハッピーな大会】

優勝者

*1

結構経ってしまいました。決勝戦が行われたのが12/3なので、1週間。この1週間ずっと余韻に浸っていました。こんなにも多幸感にあふれる大会はいままでなかったと思います。出場した全組が埋もれることなく、それぞれに輝いていたと思いました。さらに、ラジオ等でのコメント等から新たに感じたことなども合ったりして、今更ながら、ちょっと書いてみようと思います。

・敗者復活戦

ここはもう本当にスーパーマラドーナが圧勝でした。そもそも前回書いたように準決勝で落ちたことがまずおかしかったのですが、敗者復活戦でも、一組だけずば抜けて仕上がりが違ったように感じます。それが2位のハライチに2倍以上の得票(23万票)にもつながったと思います。ただ、準決勝のネタ時間が4分なのに対して、敗者復活戦のネタ時間は3分。敗者復活戦をテレビで見られることは非常にうれしいのですが、にしても、そこは、ネタ時間4分にしてほしい。準決勝に照準を合わせていたのに、敗退して急遽3分のネタを仕上げなければならず、その結果、敗者復活戦で、戦うことすらできなかったコンビが多かった。囲碁将棋、見取り図、ニューヨークが面白かった。

で、スーパーマラドーナが勝ち上がるわけですが、敗者復活戦はテレビで中継されています。M-1後の12/7のABCラジオ「ダイアンのよなよな」の中で、

武智「ホンマは敗者復活でやったネタを決勝でやりたかったんやけど、敗者復活って全国ネットでしょ。で、決勝本番までは2時間ある。で、決勝の観覧にくるお客さんってたぶんその日は敗者復活まで見てからくる。そう考えると、できなかった。(中略)一回(敗者復活で)やったことで自分たちの中でケチもついてたし。」

「もし、何かしらのかたちで敗者の時のネタを温存出来てたら、とろさんがおちてたかもしれんなっていう・・・」

とことんついてない。。。スーパーマラドーナに関しては後述します。

そして、本戦。

前説のレイザーラモンくまだまさし、BKBが慌てて逃げていくところが見切れてて、走ってるところにプロを感じました。そりゃ、ワイドナショーで松っちゃんも言及するわ。

オープニング映像がとにかくかっこよすぎた。マイクの前という戦場に向かう芸人の顔、他の芸人のネタを見る顔、ネタ合わせをする姿。どれもこれもかっこいい。M-1をここまでの聖地にしてきた歴史をなぞりながら、今大会の出場者にまで到達する。個人的に2007年に敗者復活で上がってきたサンドウィッチマンに敗れて涙を流すキングコング西野にグッと来てしまいました。キングコング、ENGEIグランドスラムとかTHE MANZAIには出ないのかな。そういえば、来週はTHE MANZAIウーマンラッシュアワーがテレビで本気のネタやるのここしかないから楽しみ。THE MANZAIに関しては思うところが多少あるのでまた書こう。

上沼恵美子に関しては、議論しつくされてると思うんですけど、やっぱり島田紳助の不在をこの二年で払拭しきったことの功績は凄いと思います。松本人志の審査への注目度をいい意味で和らげながら、自分が批判される覚悟で向き合うの信頼できます。あと、後日、一組一組の点数についてじっくり説明した大吉先生、聞けば聞くほどに本当に信頼できるし真摯だなとおもいました。ただ、歴代王者の審査もそれはそれでやっぱり気になる。

M-1の感想をだらだらと – NON STYLE 石田 ブログ「笑って笑って笑いまくり人生」

トップバッターのゆにばーすM-1で優勝したら引退すると公言していた川瀬名人。本当にトップバッターじゃなかったときの点数が気になるというトレンディエンジェルたかしの発言に大きく頷いた。一つのラリーに一つずつ笑いを入れていきその一つずつの強度が強くて、展開も良いし、自分たちにしかできないネタで、正直順番以外完璧だった。ゴッドタン、有田ジェネレーションと深夜帯には確実にハマってきてるから、どんどんキャラクターが乗ってくるんじゃないか。ただ、決勝直後のGyao!の番組で、敗因を順番ではなく実力と言い切る川瀬は筋が通りすぎていて、かっこいいと思った。

カミナリは、去年のインパクトが凄すぎた上に、たくみ君のツッコミワードの角度次第というところまでばれてしまっているから相当ハードルは高かったんじゃないか。こうなってくるとM-1で勝つには一回スタイルを変更しないといけないから大変なような。でも、期待値が高いからこそ、それをどう超えるのかはたまた裏切るのか楽しみ。

とろサーモンに関しては、これまでの15年の蓄積と希望を一身に背負ったからこそのネタと評価だったんじゃないでしょうか。優勝したのがとろサーモンで本当に良かったと思います。決勝ラウンドでは和牛とどっちが優勝しても良かった、その最後を分けたのは、どっちにこれから幸せになってほしいか、報われてほしいかという審査員の人間味だったんじゃないでしょうか。それが、リーダーの涙に現れていたと思います。和牛だろ、って声もありましたけど、それ以上に祝福が多くて、温かく終われたし良かったです。今までのとろサーモンのイメージなら、負けて「クソが」って久保田が言うイメージなんですけど、今回の大会でその負けても笑わせる空気にしてなくて、本気で本気だったのがすごくよかったんじゃないかと。負け犬という退路を断っていたのがよくて前を向いて戦っていたのが良かった。どうでもいいですけど、復活後のM-1チャンプ全員メガネかけてますね。どうでもいいんですけど。

あと、とろサーモンの優勝で思い返すのが、先日のIPPONの関連番組で、バカリズム、小木、設楽の3人がトークしていたやつで、「面白い芸人はいつか売れる」理論がいかに残酷かという話の流れの中で、「悪いのは小峠」という話になっていましたが、とろサーモンの優勝によってまたその理論の被害者が増えてしまうのでは、という。でも、「面白いやつはいつか」理論も込みで優勝に感動してしまうわけですが。

スーパーマラドーナは、敗者復活での「ミナミの帝王」ネタが出来なかったことが残念でしたが、逆にいうと、来年用のネタが一本すでにある状態なので、来年のラストイヤーにすべてをぶつけてほしい。実際、とろサーモンもミキも決勝のファイナルステージで披露したのはその前年までの敗者復活で披露したネタでしたし。

とにかく優勝して聴きたい。

「俺が一番M-1のこと思ってんねん」

「よなよな」でも言っていましたが、ここからの一年は死ぬ気でネタ作って生涯のベストネタ二本作って悔いなく終わりたいと。武智がいかに努力してきたかを知る芸人も多く、ギリギリまで積み上げてそれについていく田中もやっぱりすごい。

ただ、それにしても、THE MANZAIスーパーマラドーナが呼ばれないのが意味が分かりません。夜のゴールデンでやる本戦じゃなくてプレマスターズの方さえ出られないの全く分からない。基準がわからない。。。

かまいたちは小朝師匠の言ってたことが少しわかる。勝ち切るネタというよりも、安定して面白いネタだったような気がしてしまった。ただ、今年、ほぼ完璧な一年で、勝ち様も負け様も見せてて間違いなく主役だったと思う。

マジカルラブリーは、上沼さんのおかげでオファーが増えているらしいので、良かったんじゃないかと。お笑いファンとそうでない人の間で、知名度がかけ離れすぎているのがたとえばマジカルラブリーやGAG少年楽団なのかな。ネタのなんとなくの雰囲気だけでも、分かっていれば見方も変わるんじゃないかと。野田クリスタルがトリッキーなタイプでネタも「これ漫才か?」と思ってしまいそうなネタをやることが知られていたら、つかみで笑いも起きていたはず。GAGも宮戸が女装することが浸透していれば、コントの世界にすーっと入れる。その差はやはり大きいなと感じた。カミナリに引き続き、上沼恵美子にハマらなかった枠。つまり、今後のM-1にも登場しそうなわけだから、これから楽しみだ。

さや香。3年目で会場をあれだけ包み込めて、どんどん笑いが増幅していって、ウケにウケたのに審査員の点数には90点が並んだ。つくづくM-1とはただウケればいいのではなくて発明なりオリジナリティが評価に直結するんだなと。わかりやすさを取るとベタになるし、そこを捨てると安定できない。大吉先生がたまむすびで言っていた手本にしている芸人がちらつくというのはおそらくチュートリアルなんじゃないかと思うけど、ウケ量が審査の基準ではないなら、ミキにあれだけの得点を入れるのは???となった。さや香がボケの新山でひたすら笑いを取る図式だからなのかなとかちょっと思ったり。

 そうなると、ミキはツッコミのおにいちゃん昂生でほとんどの笑いを起こしてて、ただテンポが速すぎて、かと思いきやめちゃくちゃベタで、その緩急がすごいな。ミキがあトップだったら何点だったのか気になる。。

和牛。この3年、誰よりもM-1でネタをやっていて、その全部でパターンを変えてあらゆる見せ方をしてきて、今年は、3回戦から全部ネタを変えて挑んだ。それでも、届かないチャンピオンの座。THE MANZAIも出てたし。本当に全部面白いのに。今年に限って言うと審査員が増えなかったら優勝してたわけで。とろサーモンよりも先にでてたら、旅館のネタを先にやって、後に結婚披露宴をできたのかもしれなかった、という大吉先生の推察も込みで、とろサーモンに笑神が道を開いたんだと思う。たぶん10回やってたら、9回は和牛が優勝してたと思うけど、あの日だけは、本当にとろサーモンがつかんだ。来年の和牛楽しみだけど、正直過去のパターンを変換するだけでも十分すぎると思うし、笑い飯のようになってもそれはそれでいいんじゃないかと思う。

ジャルジャル最高。後にも書きますが、ジャルジャルがゴールデンでゴリゴリのお笑い番組をやれていないこの国のテレビ界、どうかしてる。正直、今回ジャルジャルのことを誰かに話したくて、書いてるようなもんです。

ここで、少しジャルジャルと漫才について。

M-1 2010で決勝に初めて進出したジャルジャル

その時のネタが、福徳のボケに対して後藤が早くツッコミ過ぎて、それを指摘された後藤が「ボケを知っている」「いっぱい練習したからな」と返す部分が前半にあって、それが結構な掟破り、漫才をバカにしてると言われてしまった。カウス師匠は「低すぎるか~?」といいながら79点を付けていましたね。

そして、2015年のM-1。あの形は2013年のABCグランプリでもやっていたのですが、全国ネットではやはりM-1まで。

2015年のM-1でファーストステージでもう完璧としか言いようのないネタをやりました。あの漫才、形式美出はダントツの1位です。美しかった。でも、2本目はその形式の美しさ故にはかなく散り3位となりました。

2015年のM-1直後に収録された「ブラマヨとゆかいな仲間たち アツアツ」。ゲストはジャルジャル。2015年は審査員が歴代王者で、ブラマヨ吉田もそこにいた。ここに、ジャルジャルの漫才への捉え方がはっきりとありました。漫才は事前の稽古や打ち合わせをせずに二人の人間が台本なしで等身大で会話をする、というもの。でも、「どっちがネタを書いてるの?」の質問や、ネタ合わせの光景が映ってるということへの違和感はあると。だから、2010年の漫才もバカにしたわけではなくセーフだと思った、と。

ジャルジャルはめちゃめちゃ真面目だと思う。というか、ジャルジャルはパブリックイメージで「尖ってる」「シュール」「世界観」というものがあまりにも先行しすぎている。結構ベタなのも多いのに。何をやっても「ジャルジャルワールド」で片付けられてしまうのは少し酷ではないか。漫才の原義を考えてそこからどう飛躍するかで戦う。シュールを盾に逃げてなんかいないですよ。

そして、2017年のM-1ジャルジャル圧巻でした。ゲームを持ち込むことで、稽古感や打ち合わせ感を排除し、等身大だし、そもそものとてつもない発明もあって。ちなみに、大吉先生がいってたもうひと展開欲しがってしまうというのは、「ピンポイント」的なゲームから少し逸れたワードが後一つでも入っていれば、、、ということなんだと思いました。でも、あのネタをどこから発想して、なんであれを掘ろうとしたのか、天才過ぎて感動します。どこから手をつけるんだろう。。しかも、あのネタでM-1を戦うのがまたすごい。あのネタ、誰でもできるみたいな意見をどこかでちらっと見たんですけど、本当に何もわかっていない・・・あのネタを生み出すことはもう尊き事。正直、ジャルジャルは誰かから評価してもらうんじゃなくて、ジャルジャルそのものが基準を作ったりしていかないといけないと思います。あのネタを6位のネタとして片付けられてはお笑い界に未来はないと思います。せめて、松ちゃんが最高点つけてくれたことが良かった。あと、巨人師匠が93つけてたのも相当驚いた。あの人の姿勢すごい。

 

「アツアツ」、「アメトーーク反省大賞」で、自分たちを「人間味がない」と言っていたジャルジャル。しかし今回のM-1 2017終わり。点数にショックを受けて泣きそうになる福徳と、気丈にボケてみせる後藤。

「おまえ、今、ようボケれんなあ」

ここまでの人間味が出るようになったジャルジャル。今大会一番熱かったフレーズでしたよ。

決勝の次の日に収録されたAbemaTVのエゴサーチTV(MCはキンコン西野)内で、あのシーンについて、

福徳「(あのネタは)まさに誰もが笑うネタ。誰も傷つけない笑い。まさにこれだ。誰も傷つけず、笑いをとった。誰も馬鹿にしてない。自分ら二人だけで完結した。

めちゃくちゃ平和なネタ。

老若男女にウケる。

点数振るわへん。

泣きそー。」

M-1終了直後のGyao!特番で、銀シャリ橋本の「それ、2位になった人の泣き方やから。お前6位やねんから」ってツッコミが最高すぎたことも書いておきますね。

 

個人的にはジャルジャルは一つルールがある中でそのルールのギリギリをつくのが天才的にうまいと思うので、やっぱり漫才が向いてると思うし、もっと言うと、ジャルジャルをメインのバラエティは確実に受け入れられると思う。本当にいいスタッフさん手を挙げてほしい・・・

ああ、もう本当に、ジャルジャルを軸に、ざっくりハイタッチのようなゴリゴリのお笑い番組も、めちゃイケみたいな王道もやってほしい。テレ東さん、お願いします。ざっくりハイタッチとジャルジャルの番組やってください。本当に。

少人数で毎回ゲストを変えて、コントする番組なり、何かを生み出す番組なりをやってほしい。。。ゲストに中川家を呼んでみたりしてほしい。にしてもエゴサーチTVで驚愕したんだけど、ジャルジャルに一切のオファーが今のところないってのは本当に頭おかしいので何とかしてほしい。

どうにかできたりしないかな。

 

M-1に関して総括して言うと、今回全組何かしらで良い部分があったし、全組売れてほしいなと思うんですけど、和牛とかってここまでくると、優勝するまでに呼ぶのが失礼なんじゃないかみたいになりそうな気がする。優勝した人を優先するのは当然だし売れるべきはチャンプなのですが、自由に何組でも、何位のコンビでも呼んであげてよ。今回本当に全組良かったんだから。

最近、フジテレビの『ネタパレ』は、順位に関わらず、賞レースのファイナリストを呼んでくれるので良い番組だなと思ってます。

今年のM-1。全員が輝いた最高の大会だったと思ってます。来年はスーパーマラドーナジャルジャルがラストイヤー。また最高の大会になりますように。楽しみです。

 

 

 

M-1グランプリ 決勝進出者が決定。「スーパーマラドーナの悲運」

今年ももうそんな季節か・・・なんて言葉が聞こえてきます。

M-1の決勝進出者が発表されました。

M-1グランプリ2017

 

natalie.mu

”準決勝を勝ち抜いたのは、ジャルジャルかまいたちカミナリマヂカルラブリーミキさや香とろサーモン和牛ゆにばーすの9組“

注目としては、キングオブコント2017王者・かまいたちM-1グランプリ2017も獲るのか、昨年惜しくも準優勝だった和牛がリベンジを達成するのか、ラストイヤーのとろサーモンが獲るのか、と言ったところでしょうか。キングオブコントM-1の二冠を達成した芸人はいまだかつていないので、かまいたちがここで優勝すれば、間違いなく最強の芸人ということになりますから、楽しみです。和牛について言うと、去年松本人志が最終決戦での投票で入れて準優勝になりました。これは、M-1初期の、2002年に松本が優勝したますだおかだではなくフットボールアワーに票を入れていて、翌2003年にフットボールアワーが優勝した、という出来事があって、放送室でも、そのことが語られていました。(ちなみに、2003年には松本はフットボールアワーではなく笑い飯に入れてましたが、翌2004年に制したのはアンタッチャブルなので関係ないっちゃないんですが。)M-1が再開してから3年目という点では2003年と同じなので、もしかしたら・・・というだけのことです。

今年は、とにかく準決勝のチケットが全然取れなくて、チケキャンでずっと追ってたものの、2万~3万の間での取引しかなくて、泣く泣く諦めました。去年とかそうでもなかった気がするんですけど、今年はなぜかすごかったです。会場のキャパとかの関係なのかな、と思い調べると、今年のNEW PIER HALLでおよそ800人で去年のよみうりホールが1100人でした。なるほど・・・

なので、準決勝は観に行けてないんですよ。これ、めちゃくちゃ悲しくて。で、とある友人が見に行けることになった、というもんですから、準決勝当日、終わってから会いに行きまして、話を聞きました。もちろん、席によってウケ具合も違ってきたりするのでもちろんその友人の話だけではわからない部分も多いんですけど、その友人の話と、Gyao!で観た準々決勝のネタからいろいろ考えて、予想を立てたりしたので、それをベースに色々お話ししようかなと。

予想⇒ジャルジャルゆにばーすかまいたちさや香マヂカルラブリー相席スタート囲碁将棋、見取り図、スーパーマラドーナ。(太字が決勝進出)

予想は全組吉本だったんですね。これについてはのちほど。

5組当たりました。5組のうち、ジャルジャルさや香マヂカルラブリーは、3回戦もしくは準々決勝で披露したネタ、つまりGyao!で観ることが出来たネタを、準決勝で披露したらしく、一方、かまいたちとゆにばーすはそのどちらでも出さなかったネタをやったらしい。かまいたちの賞レースの戦い方の上手さと、ゆにばーす川瀬名人の知将ぶりが発揮されているなあと思ったわけですが、ネタの内容を聞く限り、特にゆにばーすのネタが相当面白そうな感じがしたので早く見たくて仕方ないです。かまいたちもほぼトップでウケてたらしいですし。にしても、今年に入って、川瀬名人にフューチャーして、彼の「M-1への執着」を見事に映し出していたゴッドタンはやはりすごい。ウエストランドのことも引っ張り上げてほしい。あと、曇ちゃんも。

で、予想の残り4組では、見取り図、相席スタートが準々決勝と同じネタ(相席スタートのネタGyao!で観れるからぜひ見てほしい。めちゃくちゃ面白いです。ゆにばーすに男女コンビ枠で負けたのかな。二組でもいいのに。)、スーパーマラドーナ囲碁将棋は変えてきたらしく、それこそ4組とも準決勝観に行った人のTwitterでの予想なんかで数多くの人が挙げてたコンビで、特に、スーパーマラドーナは、正直3回戦、準々決勝と、「大丈夫か?」と思ったんですけど、準決勝には間に合わせてきたと聴いて安心してたんですけどね・・・

スーパーマラドーナはいつも悲運

つくづく、スーパーマラドーナは悲運だな、と思います。2016年のM-1ってファイナルに残った3組の実力が一番拮抗してたと思うんですよ。大体、ファイナルって3組が上がるんですけど、1組が圧倒的に強いか、二組で競う場合がほとんどで、2016年は珍しく3組で拮抗した。だから優勝は銀シャリだったけど、和牛とスーマラも売れるんじゃない?って空気が確かにあった。なんなら、ネタ以外の部分では、スーマラ田中の独壇場だったわけですよ。観た人ならわかってくれると信じてます。で、2016年の決勝から1週間ほど経って、ノンスタ井上の事故に武智が同乗してしまった結果、武智をなぜか起用できない、流れになってしまった、と。正直、あの雰囲気が、「もう本当にテレビって・・・」って拒否反応が出たレアケースでしたよ。ただ、個人的にスーパーマラドーナが真にきついのは、松本人志が実力があるのに日の目を見ない若手芸人を招いて、トークするという『下がり上がり』という番組に事故からしばらくしてスーパーマラドーナがゲストに呼ばれました。

下がり上がり - フジテレビ

その中で、M-1の決勝の話が出て、そこで、松本は一本目のネタより、二本目が全然よかったと評したました。

一本目のネタは、2016年のM-1準決勝でトップウケだったネタなんですね。言うなれば、決勝に導いたネタ。それに対して、二本目のネタは、若手のころからやっているネタで、スーパーマラドーナM-1においては初の決勝に上がったのは、2015年なので、二本目のネタは決勝には上がれなかったネタでもあるんですね。

もちろん、やり慣れてるからこそ強いネタではあるんですけど、M-1の予選の審査員ってどっちかというと、革新性を評価する傾向にあるので、でも、決勝の審査をする松本人志に2本目が良いと言われてしまった。この苦悩は結構大きかったんじゃないか、と。

で、今年。2017年。去年に近いシステムのネタで、ウケの量もすごかったのに、落ちた。

でも、2015年、2016年。いずれも、敗者復活から勝ち上がったコンビは最終決戦まで残ってます。いや、サンドウィッチマンが優勝した年以降、敗者復活のメンバーと1stステージの順位は、サンドウィッチマン(1)、オードリー(1)、NON STYLE(2)、パンクブーブー(1)、トレンディエンジェル(2)、和牛(2)。全組ファイナル進出ですよ。特に、2015年からのM-1では、ネタ前の各コンビのVTRがなくなったので、会場のお客さんも視聴者もコンビに関する情報が入らなくなったんですよね。で、唯一、番組内でドラマがついてくるのが敗者復活から勝ち上がるコンビだったわけです。番組内で敗者復活戦での順位まで発表されますから。ホームとしてネタをできるので、その強みもありますよ、と。だから、スーパーマラドーナ、準決勝あれだけウケたんだから、敗者復活からぶっちぎればええやんか、と思ったらこれですよ。

「笑神籤(えみくじ)」

”会見では、敗者復活戦の勝者が決勝戦の最初に発表されること、ネタ順が「笑神籤(えみくじ)」なる新たな方法でを決められることが発表された。「笑神籤」とは、決勝戦メンバーの名前が書かれた“おみくじ”を生放送中に1組ずつ引いていき、名前が出たコンビがそのまますぐにネタを披露するという方式。出番前のコンビ全員が常にネタのスタンバイをしておく必要があるこのルール”

いや、笑神様は突然に」もびっくりなこの突然のルール改正。

これによって、敗者復活組のメリットは完全に取っ払われます。スーパーマラドーナはいつも悲運だ。だけど、去年最終決戦に進むことが決まってすぐに予定とは違うネタを披露した彼らなら関係ないか。あと、11/18放送のTBSラジオ「ナイツのちゃきちゃき大放送」にて、塙「そっちの方が(笑神籤のシステム)良いと思う。寝坊して3分前にギリギリでやった方がウケたりするから、関係ない。」との冷静な意見もありました。

「下がり上がり」の話で行くと、見取り図にも頑張ってほしいんですけども。

個人的には、ジャルジャルに頑張ってほしいのと、スーパーマラドーナが敗者復活から来てほしいというのと、マヂカルラブリーのネタを松本人志がどう評するのか聞きたいな、って思います。もちろん、審査員の顔ぶれが一番気になるんですけど。

あ、そうだ。決勝進出者で、カミナリ以外の全組がよしもと所属というのが結構話題になってて、「結局かよ」的な意見多数あると思うんですけど、これ、準決勝の審査員のホンネとしては、「いや、カミナリ入れるのでも、だいぶ迎合した方だよ」だと思うんですよね。実際、全組吉本で予想してましたけど、今大会に関しては準々決勝が悪くて、準決勝に上がったコンビ30組のうち、非よしもとは8組でしたから。その段階で絞りすぎてるし、もし、それが正当な評価なんだったら決勝で全組よしもとになることを避けるべきじゃなかったと思います。実際、数の原理と会社の規模、劇場の数等考えても、よしもとが多くなるのはある意味当然なので、そこで、変に事務所のバランスとかを気にするのすごく気持ち悪いなって思います。しかも、上がったカミナリも上沼さんがいる限り上位進出は厳しいですし。。。おそらくの話ですが。

「ま、テレビ番組だからね」と言われればそうなんですが、少し釈然とはしませんね。うん。

何にせよ、12・3敗者復活から決勝戦まで楽しみにしたいと思います。

 

Perfume×docomoの見せた「新しい地図」

2017年11月は凄い転換期なのかもしれない。稲垣草彅香取の72時間テレビにワーワー言ってたら、今度はPerfume

何をするか一切非公表で、ただPerfumedocomoがコラボレーションしたパフォーマンスを行う、ということしか明らかではなかった。「全世界生中継」という言葉はとても強くて、何かとんでもないことをやってくれる、と期待させてくれる。また、VOL.01ということはこれから続いていくプロジェクトなわけで、その初回にPerfumeが選ばれた、ということもファンとしてはうれしい。つくづく、最新技術とPerfumeは結び付いてくれる。それは、もちろんPerfumeの能力の高さと革新的挑戦を続ける姿勢がもたらしていることには疑いの余地なんてない。

で、このPerfume×docomoのパフォーマンス。2017年11月8日21時。これに間に合わせるためにバイト先のお店を閉店時間よりフライングして締めた。大正解だった。自由が丘のベンチに座り、21時ちょうどを迎えた。歴史の転換点。

それからの数分間。凄かった。いや、あの、やっぱりPerfumeってすごいよ。あの数分間、3人が地球をステージにLIVEを行ったんですよ。うん、全然言葉が足りてない。

21時になってYoutubeの画面は、地球上の三つの地点を示す。ニューヨーク、ロンドン、東京。そして3人の姿に画面が変わる。ニューヨークにのっちが、ロンドンにかしゆかが、東京にあ~ちゃんが。

「結成して17年、私たちは初めて、別々のステージに立つ。」

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PerfumeのLIVEは、ステージの上に3人しか登場しない、という掟がある。それは、どんなにPerfumeが大きくなっても変わることがない「掟」なのだ。3人以上になることもないが、逆に3人よりも少なくなることもない。どんな時でも3人。となると、この企画は掟破りなんじゃないの?と。いや、だからこそ、docomoは今回Perfumeでこのプロジェクトをする必要があったのか。

「距離を超えて、私たちはどこまで息を合わせられるだろうか。」

「想像を超えて、私たちはどこまで心に迫れるだろうか。」

「距離をなくせ。」

世界各地に離れてしまった3人が、それでも同じステージに立つことなどできるのか。同じステージに立つ、というのは3人が同じ時空間を共にするということだ。技術や表現方法によって。

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で、3人の歩く後ろ姿が移されて、その後ろ姿は撮影されたものから、生中継への画面へと切り替わる。3人の進む後ろ姿といえば、新しい地図がやはり想起されてしまう。

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「信じていればきっといつか出会う」というこの動画のメッセージは、現時点では距離があることと、その距離を0にすることは可能だ、ということだ。新しい地図が精神的な距離を(仲違いとかではなく)0にしようと本気で動き出したのだとすると、Perfumeはそれを肉体的、物理的にやろうとしている。72時間はさすがに肉体的な要素もあったけれど。

3人がそれぞれの正四面体に入ってパフォーマンスを開始する。Perfumeのアイコンでもある「正三角形」だけで構成されている正四面体がステージ。そして始まったパフォーマンスでは、その正四面体の中で3人が息の合ったダンスを披露していたり、3人から1人の人間になっていた。もう凄すぎました。完璧。ノーミス。あの3人、なんであんなに本番に強いんだろうか。最近はどんなことでも安心して見ていられる。いよいよアーティストとして異次元な地点に到達しつつあるのではないか。チームPerfumeがどんどん日本のエンターテインメントの中心に位置しつつある中で、それがまた彼女たちを成長させる。今回のこのLIVEパフォーマンスが東京、ロンドン、ニューヨークというアジア、ヨーロッパ、アメリカを代表する3都市を結んだ世界最大規模のステージで行われ、それをリアルタイムで自分のデバイスで観ることが出来る。そんな素晴らしい時代。2017年11月8日現在Perfumeが世界で一番進んでいることをやってのけた。間違いなく、2020年の主役となる日本の東京。そのなかでこのパフォーマンスは日本を代表する名刺のようなものになったのではないか、と思う。もう、いっそ、リハーサルだったと言ってしまいたい。

チームPerfumeリオ五輪の閉会式を手掛けて、そのことを知っている多くの人はPerfumeとオリンピックの距離が近づいた、と思う。それ以上に本人たちだって意識してないわけがない。パフォーマンス終了後、あ~ちゃんは「東京オリンピックの頃には、このdocomoさんの技術はますますすごいことになってて、ゴールした瞬間に(通信の)時差とか無く世界中が同時に沸き立つことが出来るかもしれんね」さらっと東京オリンピックの話に出来るあ~ちゃんが好きだ。

唯一首をかしげたのは、アーティスト写真では、黄色がかしゆかで、青がのっちだったのに、このパフォーマンスでは、かしゆかが青で、のっちが黄色になっていたこと。なんでそろえなかったんだろ。 

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最近、テレビで、画面で魅せるパフォーマンスが凄すぎるんですよね。Mステのスペシャルで披露した『エレクトロ・ワールド』も、『内村五輪宣言!~TOKYO 2020開幕1000日前スペシャル~』もちょっと、あまりに凄すぎて正直無料でこれ観れるの得過ぎると思ったし、それでもまだこの凄さに気づいてない人が割といて衝撃だしショックでもあります。てか、紅白とか、Mステなどの生放送の音楽番組で観れた凄いパフォーマンスでDVD化されないんですかね。紅白は一回アルバムについてきましたけど。

1回1回ファンの想像を超えるものを提示し続けてくれることはとてもうれしいし、やっぱついていこうと思うんですよね。この最近、DISPLAYで魅せてくれているものが今後どうLIVEに活かされていくのか考えだしたらワクワクが止まりません。やっぱすごいです。

この動画を観てくれる人が一人でも増えてくれたら本望です。

youtu.be

余談ですが、SMAP好きな方には是非、スマスマの歌ゲストにPerfumeが来た時のパフォーマンス見てほしいです。中田ヤスタカが神みたいな曲のつなぎ方してるので。

 

期待してます。楽しみです。
起こせ、ミラクル。

10月27日「ここから始まる“新しい”テレビドラマ」

国際ドラマフェスティバル in TOKYOが主催する、東京ドラマアウォ―ド10周年記念シンポジウム「ここから始まる“新しい”テレビドラマ」に行ってきました。

今のテレビドラマを代表する4人の脚本家と、各テレビ局の若手のドラマプロデューサーやディレクターが参加し、今のテレビドラマについて話し合う、というものでした。

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まあ、これを見ていただいたらわかるように、脚本家陣がとてつもない豪華さでした。

井上由美子古沢良太、坂本裕二、野木亜希子。

そして、各局のプロデューサーは、NHK、民放各局、WOWOW、制作会社などの若手がそれぞれ二人出席しておりました。

野木亜希子✖TBS峠田(『逃げるは恥だが役に立つ』)、坂本裕二✖TBS佐野(『カルテット』)、古沢良太テレビ東京阿部(『鈴木先生』)などの組み合わせも。

会場は、中央にドーナツ型の大きいテーブルがあって、そのテーブルの後ろ両側に階段状の客席がある。結構、年齢層は高めでした。学生用の席もあったのですが、自分は応募の時学生って書いたのに一般席に案内されてしまいました。あとでわかるのですが学生席だと質問したり議論に少し参加できたので、ちょっと残念でした。質問したかったなー。

シンポジウムは前後半に分かれており、前半は、プロデューサー陣からの質問に脚本家が答えていく、というもの。質問するのが仕事仲間の作り手であるからこその質問も多く、視聴者の自分にもとても聞きごたえがあった。そして、同じ脚本家でありながら、4人の個性がとにかくバラバラで、この4人がひょんなことから同居することになって、4人で一つの作品を作り上げる、というドラマこそ観たい、と思いました。

まず、脚本家の皆さんの仕事を引き受ける基準(局、企画、人)が話題の中心でした。たとえば最初の質問はTBSの佐野さんの「仕事を引き受けるときに大切にしていること」というものでした。

野木「企画か人。逃げない人で気概のある人が良い」

古沢「企画は受け付けない。企画というよりも、自分の思いついたものを誰に当てるか、を考える」

坂元「特にこだわりはない。でも、好きな俳優を連れてくる人やいい作品を作った人だと尊敬できる」

井上「基本だれでも良い。電話さえくれれば」

印象的だったのは、フジテレビの田中さんの「今のフジテレビにダメ出しを」というものに対する脚本家の方々の回答で、

井上「なぜか、つまらなく見えてしまう。ただ、『刑事ゆがみ』は面白い。」

野木「自由に出来てない感じと女性プロデューサーが少なくなっている印象」

古沢「局とではなく、人と仕事してるので特にない。が、最初行ったときはもっと怖くて、視聴率の猛獣たちがいっぱいいる感じだった」w

坂元「一つもない。というより、局全体について差はない。ただ特に個人的にはフジテレビの血が流れている」w

ここから、坂元さんが、幾度か、あくまで脚本家は個人事業主に過ぎなくて、人とお仕事をしているので、局や会社で判断はしないとのお話をされていました。逆に言うと、局の方々は自分たちの会社がよそと違っている部分を体感しているのだろうな、とも思いましたし。ただ、坂元さんが唯一おっしゃっていたのは「NHKは明らかに自由度が高い」とのことでした。あと、井上さんのテレ朝はターゲット層が高いというのには納得しました。やっぱりか、位の感じですが。 でも、やはり、みなさん、一番大切にしておられるのは「人」ということだったのかなと思います。

そして、その他の話で言うと、WOWOWなどの有料放送についての考え方では、評価が数字で出ることが健全でありながらも、厳しい面もある、と。

そして、「連続ドラマ」の魅力、について。

坂元裕二が語ったのは、「ドラマと映画の最たる違いは、人間を描くのにかけられる時間。ここで差別化するしかない。昔は13話が主流だったのがいつの間にか10本にまでなってしまっている。10話がギリギリで、本当は12話で書きたい。海外は、終わりを決めることなく始める。理想は2クールでもやりたい。」

それを受けて、野木さんは「書き始めるのがクランクインの3か月前だったりするから仕方ない部分はあって、脚本家だけでなく、テレビ局の人たちもみんなギリギリのところでやってるから、抜本的な改革が必要」と。

 一方、古沢良太は、長い方が良いとは認めつつも、10話でやるからこその面白さもある。と言い、『やすらぎの郷』のように企画に枠を合わせれるようになると良いのでは、と語った。

井上由美子大河ドラマ・朝ドラの経験から、2クールめに入ったくらいの時期に人物像が確立されたりすることもある。と認めたうえで、役者のスケジュールの問題を挙げた。

そして、後半は、各局のプロデューサーの企画のプレゼンが行われました。今後、作品として出てくることもあると思うので、それに関してはどの局がどんなことをしようとしているかについては割愛します。ただ、個人的に一つすごくなるほどと思ったことがあって、どなたの発言かは覚えてないのですが、今のドラマの作り手は80~90年代の視聴率が良くて面白いとされていた時代のドラマを観ていた人たちが多く、そういう人たちにとって、かつてのその時代のドラマが「ベタ」になってしまっているから、あえてそれを避けてしまっているのではないか、というものでした。この観点はなかなか興味深かったです。あと、ラブストーリーの話で坂元さんが「結局、良い役者がそろうこと。男女の素敵なペアを見つけることが一番」「ラブストーリーは話が動かないから地味」と断言していたのが印象的でした。

あと、古沢さんの「なんで、先に10話書き上げてしまうことが出来ないのか」という疑問もなかなか今のドラマ界の課題に繋がっているのかな、と。古沢さんは結構反骨心が強いというか、逆境に光を見るタイプなんだな、と思った。なんとなく、藤井健太郎ぽいな、と思った。

このシンポジウムから感じたのは、窮屈感と閉塞感でした。しかも、それは脚本家の方たちだけじゃなくて、テレビ局側の人たちも、視聴者も感じていることで、誰も今、ハッピーじゃないような気がしました。だれも得していないこの現状がなぜ生まれたのか。視聴率は確かにある程度取らなくてはならない。もし、2クールにしたドラマの初回の視聴率が極端に低かったら、と考えるとリスクは高い。でも、そのリスクを抑えることは出来るのではないか。『渡る世間は鬼ばかり』のように長く続くものもある。単純に人材不足の様相もある。役者のスケジュールはもちろんのこと、プロデューサーも今クールだけではなく次に手掛けるものにも時間を割かなければならない。だとすると、漫画や小説などの原作があるものは、プロデューサーとしては、物語が最後までわかっていることや原作の人気に少し頼ることが出来るから、そりゃ易きに流れるよなあ。でも、プロデューサーも自分たちの企画を成立させるために必死でやりくりしなければならないわけでそうなった時、その企画にGOを出す人と、スポンサーが柔軟になってくれることを祈るしかないわけで、でも、大企業って勝負しないからなあ、と絶望したくもなる。でも、逆に一社がそういう流れに以降するなら、一気に追随する可能性も大いにあるわけで、それを待つしかないのかな、と。みんな、面白いものを見たいし、面白いものは作りたいに決まってて、でも、それはできないんですよね~はもう見たくないし、聞きたくない。

なんか、どうしたらいいのかわからないですけど、大学生とかそれなりの数投入すればいいのになって思いますけどね。多分、俺みたいにテレビ好きな人いっぱいいるだろうし。アナウンサーだけを早めから囲うんじゃなくて。表の華やかさだけ競ってんのがすごくダサい。

人材育成する場所が絶対必要で、なんなら脚本家の数も役者の数ももっと必要なんじゃないかと。一番視聴率を取ってる朝ドラが一番キャスティング攻めてて、もちろん、朝ドラに出ることで一人前ってなる部分はあるのかもしれませんけど、別にその流れは民放でもできるだろうし。なんか、民放ももっとオーディションで主演決めたりすりゃいいのに。72時間ホンネテレビが成功してしまった今、あらゆる「できない理由」は詭弁でしかないと思います。「ネットテレビだから」と口にした瞬間負けであり衰退の一途です。でも、この場に来ていた各局の人たちのホンネを聞くと、誰も諦めてないし、野心に満ち溢れていると思えたので、良かったです。

 

p.s. 坂元裕二の次回の構想が聞けて、凄く満足でした。やっぱり、満島ひかりでお願いします、と言いたくなる。