キングオブコント2017

10年目にして史上最高の戦い

キングオブコント2017終わりましたね。勝手に予想してましたけど、アキナまでほぼ完璧に予想当たってましたね。ちょっとコソコソと喜んでました。キングオブコント2017 勝手に優勝予想。 - HIGH-SGHOOL

GAG少年楽団よ、なぜ準決勝2日目のネタにしなかったのだ、、、

唯一そこだけ誤算で、なおかつ悔やまれるところではありますが、2012年のバイきんぐ以来の、納得が行く、そしてバラエティに富んでいて、バランスの良い、とても面白い大会だったと思います。

振りかえります。

 1st STAGE

1.わらふぢなるを「オペレーター」

トップバッターじゃなければ最後の5組まで残っていたと思います。結果6位でしたし、さらばの次とかだったらもしかしたらもしかしたと思います。準決勝二日目に披露してましたが、決勝の方がウケてましたね。ボケのオペレーターが「めちゃくちゃする」って言ってからネタするって普通ならハードル上がりそうなんだけどその後のボケが全部面白くて単純にわかりやすかった。そんなネタの安定感に対して、ネタ終わりの浜田さんとの絡みの時とか、ふぢわらさんのヤバさがすごいドキドキしました。なんというか、鋭く尖ってるアングラ感がカッコ良くて、ガンガンボケてましたし、それに全部つっこむ口笛なるをさんの安定感というか穏やかな感じと中和されてて、とてもいいコンビだな~とか思って観てました。

 

2.ジャングルポケット「エレベーター」

マジでジャンポケ、どんどん面白くなっていくなーーって。昔、ざっくりハイタッチで、「単独LIVEの芸人の見学、誰も見に来ない」っていじられてたけど、今のジャンポケ、台本がちゃんと面白い。このネタ、準決勝の初日に披露してたらしいんで、初めて見ましたんですが、何この構成力の高さ!斉藤さんを点取り屋から司令塔にコンバートしたらめっちゃハマり出しましたよね。メッシを右のウィングから真ん中の0トップにした時の感じですよね。正直、470近く叩き出すんじゃないかと思ってたので採点が辛かったと思います。ホンマにアメリカのコメディみたいな。最後の斉藤さんの「気まずい」って言う時の顔とかまさにでしたよ。

パンサーが最近元気ないんで、ジャンポケとツーマンLiveやってみてほしいな、とか思ったり。

 

3.かまいたち「告白の練習」

このネタ、前回の予想の時にも書いたんですけど、マジで好きなコント、トップ5に入るくらいに好きなやつです。準決勝でも見たんですけど、後半にかけてどんどん笑いの量が何乗にも増えていく。あのネタ、最高過ぎませんか。最初、濱家さんに感情移入して、山内さんのやることのおかしさを笑ってたはずが、後半の大爆発の部分では、二人の状態そのものが可笑しくなっていく不思議。「浪速のバナナマン」に関しては、多くの人が疑問を持ったと思うので、そのあたりも東京に出て、バナナマンと共演するときにはぜひ積極的に言ってほしいなー。いいともがあったら、レギュラーに入ってただろーなーと思います。二人ともがちゃんと面白いし、そろそろ千鳥ブームが落ち着きそうだし(次のステーいったし)一気にこのまま行ってほしいですね。

かまいたち、決勝進出者発表の時のふざけ方から好きでした。キングオブコント2017【かまいたち】 on Twitter: "#キングオブコント 2017 【決勝進出決定の瞬間】 9組目 #かまいたち ! 2年連続の決勝! もう決勝に行くことを確信していたかのような お2人の安定のコメント、 お聞きください!! 次がラスト! #KOC2017 #ダウンタウン #さまぁ〜ず #バナナマン #TBS https://t.co/I7VDCeHxMA"

 

4.アンガールズ「海」

まず、アンガールズほどの知名度がある芸人がこういう賞レースに参加して、「そんなに売れてるのに、今でもチャレンジしてるのが偉い」的な扱いを受けるのにものすごく違和感がありましてですね。いや、チャレンジしてるアンガールズが悪いんじゃなくて。チャレンジしてるからこそ無名だったりこれから来るであろう芸人と対等に扱わないといけないと思うんですよね。あとでも書きますけど、二本目のネタすごく面白かったと思うんです。でも、一本目に関して言うと、前のジャンポケ、かまいたちよりウケてなかったのは確かで、審査員の表情や、あと山根さんの表情もそんなに手ごたえ感じてはなかったように見えました。「アンガールズ好きだから、2本目も観てみたい」ってそれ、どうなのよ・・・

 

5.パーパー「卒業式」

準決勝初日にやってたらしいネタ。なんか、準決勝ではものすごくウケてたらしいんですよね。おそらく、それが昨日はハマらなかった、ただそれだけだと思います。だーりんずが「童貞」のネタをやった時に、それも準決勝ではウケたのに決勝では受け入れられなかった。準決勝観に行くほどのお笑い好きの人たちからすると、パーパーが今一番キてる面白いコンビだってわかってるから、安心して見られると思うんですけど、決勝になった時に知らない人が大多数。しかもひとつ前はテレビにおなじみのアンガールズ。直前VTRも、初の女性ファイナリストで推される。となると、やっぱり見る側が少し構えてしまったのかなーと思いました。あの「マルチ商法」のくだりとかめちゃくちゃ面白かったし、LIVEならあそこスゴイウケたんだろーなーって思いました。これから、たぶんネタ番組とかでなんとなくのキャラクターが浸透していっての来年!的な感じでかなり楽しみな感じがします。

 

6.さらば青春の光「居酒屋」

最高。「LIVE感」「経由」「エビでエビを釣る」「だし巻き借りる」もうフレーズだけでも絶品。展開も鮮やかで、後半の色づけされた循環が心地よくなってくる。漫才にしても、コントにしても切り口が斬新ですよね。もうおもしろすぎて何も言えないです。とにかく翻弄されてる森田は常に最高ですね。

7.にゃんこスター「縄跳び」

衝撃。いやー、もー、ほらー言ったじゃないですかー!!!にゃんこスターが売れる未来が見えるってーー!!!早速ワタナベエンタ入ってるし!もうPONのレギュラーになるところまで見えましたよーー!

www.oricon.co.jp

賛否両論、上等じゃないですか。彼らが捨てたのは、縄跳びでもフラフープでもコントの概念だ。。。てか、もう語れば語るぶんだけ、あの2人の思うツボというか、思ってもないのか、そんなこと。あの「0点だけは…」って言っちゃう低姿勢。合間も終始ふざけてて、ずっと楽しそうなんですよ。正直、ネタ順が、、、とかあると思うんですけど、にゃんこスターはそれが関係ないんですよね。多分。だって、スーパー3助さんの第一声からもう「お、なんか楽しそうなの(ヤバそうなの)始まるぞ?」ってなって、そこからずっと楽しいじゃないですか。だって、1回戦から全部の会場であのネタが受け入れられて、ウケてることが何よりも証明してるじゃないですか。圧倒的にネタの強度が凄まじいんだと思うんですよ。今年のR-1で、アキラ100%に対して、板尾創路さんが「ナンセンスにスリルが加わると、こんなにも面白くなるのか」って言ってて、アキラ100%をアリにしたじゃないですか。それと同じことが起こりました。あともう一つ、THE MANZAI2012で、アルコ&ピースの「忍者になって巻物を取りに行く」あのネタ。あの、ネタがリアルに侵食する、「漫才コンテスト」そのものをフリにしたあの時と同じような事が今回起こりました。三村さんの言ってた「コントなんでルールとかない」んですよ。あれをコントだと認められない人がいるのなら、それはその人の解釈ですけど、だからこそ、それはにゃんこスターの思う壺なわけで。近年の猫ブームにあやかったかのようなその名前すらも愛おしく、そして狂おしく思えてしまってなりません。賞レースは戦いの場です。あの場所で誰よりも戦い方が秀でていたのでは、とさえ思います。

これから、爆発的に売れるでしょう。テレビ局の皆さんがどうやってにゃんこスターという素晴らしい素材を料理するのか、ちゃんと審査すべきですよ。ほんまに。あんなハッピーなネタ、ないですよ。

「あれ、にゃんこスター求めてる俺がいる!」

8.アキナ「バイトの先輩」

とまあ、これだけ書いたことからもわかるように、アキナは本当に大変でしたよね。審査後に大竹さんに「にゃんこスターの衝撃が凄すぎて、事前VTRも全然見てなかった」と言われてしまいました。皮肉なことに事前VTRで「もっと自由に」って言ってたのに、その一つ前に破滅的に自由なネタだったわけですから。でも、見せ方としても切り口としても斬新で、山名さんの異常っぽい演技は毎度ハマるなあと思いました。ただ、一回一回音楽で切れてしまうので爆発的な笑いには繋がりにくいのかなあと思いました。

9.GAG少年楽団「幼馴染」

幼馴染の三角関係のまま、3人とも50代になってしまったネタ。GAGのネタは、福井さんが童貞っぽい感じの演技をするネタが多くて、その感じがかなり好きなんですが、会場の雰囲気を考えると50代の童貞より学生服の童貞のほうが受け入れられたのではと思いました。

多分、準決勝見に行った人たち全員が、「なんでや」と叫んだとおもうんです。自分は2日目のネタの方が、お客さんの感じを見る限り受け入れられたのかな、と思いました。事前Vで南海キャンディーズ山ちゃんが宮戸さんの女装に触れて、フリとしては完璧で、でも、そのフリだったら若い女の人の方が良かったなーと。この幼馴染のネタは2本目の少し落ち着いた頃ならもしかしたら、、、って感じました。でも、パーパー同様で、今年は顔見せで、来年獲ればいいと思います。福井さんのあの唯一無二のツッコミがもっともっと決まってて、宮戸さんの女役の艶やかさが出て、優勝して、坂本さんの「言わんよ」を聞きたい笑  

GAG少年楽団、ほんまにほんまにめちゃくちゃ面白いですから!!!

10.ゾフィー「母さんの家出」

お母さんが家出をしたのはなぜか、という方向に進むのかと思ったら、お母さんがいなくなることによって食事にありつけなることに恐怖しておかしくなった中学生と父親のネタ。父親が実はご飯食べてたところを追及するところとか超面白かったです。

このネタが軽く炎上してると聞いてビックリしました。最近の保毛尾田保毛男といい、お笑いに対する批判の仕方が間違ってるなあと思ってしまいます。そもそも、面白い面白くないで語られるべきで、小さい子供から大きい大人までが見るから、小さい子供が真似するから、というのはこじつけが過ぎると思うんです。もちろん、笑いというものは時に狂暴で、毒を持ったりすることもあると思います。例えば、罰ゲームがいじめにつながるという意見。それだって、番組の中でその人がなんで罰ゲームを受けることになるかまでにちゃんとした道筋があって、無理強いして罰を与えることはないんですよ。つまり、そのテレビの意図するものをちゃんと理解できるように教えればいいだけであって。勝手なイメージかもしれないですけど、昔は家族で見るものだったテレビがいつからか、自分は家事や仕事をしている間に子供の相手をするためのものに変わっていってしまったから、テレビ番組を子供だけで理解しなければならなくなったから、親としてはより安心さを求めるようになった、そんな気がしてます。勝手な意見ですが。

 ただ、ゾフィーのネタに怒ってる人の層がわからないんですよね。お母さん世代が、家族から「飯作る人」と思われたらどうしてくれるの!!的な感じなのか、何なんでしょう。でも、それで番組出れるくらいの火力になってくれたらいいのにな、と願ってます。

2nd STAGE

1.アンガールズ「10年間」

正直、一本目で、うわー、審査員ひいきした!!と思ってたんですが、エンタみたいなネタやんとか思ってたんですが、この2本目に関しては、えっ、アンガールズこんなに玄人受けしそうなコントするんだ!と思って、普通に単独LIVE行きたくなりました。

「俺は法の中で暴れてる」は最高でした。あと、オチのジャンガジャンガに帰ってくる感じも良くて、ちょっと、ほんのちょっと感動しました。

2.ジャングルポケット「マフィア」

準決勝2日目に披露。こっちは1本目よりもいつものジャンポケって感じで、もうちょいおたけさん絡んできてほしかったーって感じです。

3.さらば青春の光「パワースポット」

あれ?これバナナマンNHKの番組でやってなかったっけ??と思ったんですが、審査員コメントの時に設楽さんが観たことはあったって言ってましたね。審査員も絶賛してましたけど、さらばのネタは漫才にしてもコントにしても発想の独創性がめちゃくちゃ高いですよね。どのコントも他の誰かのあのネタに似てるってことがないし、ここまで賞レースに残り続けてるってすごい事やと思います。

 4.かまいたち「ウェットスーツ」

山内さんが繰り出すワードと、細かい動きの面白さ。で、大きく動きでも笑わせる。身体的かつ言語的。面白かった~~。

かまいたちが凄いのはどっちもがツッコミが出来るところなんじゃないか。二人ともが器用で面白いし、確実に東京出てくるんでしょうけど。さっさとレギュラー2本くらいかっさらって欲しいです。

5.にゃんこスター「フラフープ」

にゃんこスターが2本目のネタをするまでに、何回彼らの名前が呼ばれたか。10年目のキングオブコントを締めくくるのがにゃんこスターというこの奇跡。準決勝でネタが2つ必要だからということで、急遽生まれたのがこのフラフープのネタ。そもそも、このパターンだけで勝ち上がってきたんですよ。潔すぎませんか。

全く同じネタを2本やるとはどういうことだ!!と怒ってる人、こういう賞レースで真面目にコントをしている人をフリに使うネタをするなんて!!と怒ってる人へ。

彼らにはあれしかありまへんねん。

 でも、だからこそ、この大会は誰の大会だったかって聞かれたら、ほとんどのひとはにゃんこスターの大会だったね、というと思います。賞レースで結局強いのはその会場の空気を変えてしまう男です。またしても、2位売れる説が示されてしまうと思います。もちろん、かまいたちは売れると思いますが。

ちょっと話がスライドするかもしれませんが、『水曜日のダウンタウン』で、「毒霧」に関する説がありました。春日が相撲やクイズなどの対戦相手に毒霧をして勝利するかどうか検証したものだったのですが、その中で、相撲をした際に春日はあかつに毒霧をするものの負けます。そのVTR終わりに松本人志は一言、

「行司に毒霧したらよかったんや」

と言いました。

以前、今、ダウンタウンが賞レースに出るとしたらどんなネタにするかを聞かれた時には松本人志はとにかく記憶に残るネタをすると。ルールというものの範囲の中でいかに戦うか。本当の勝ちはなにか、それをわかっているからこそ、にゃんこスターに97点を付けたんだと思います。実際、わらふぢに83点を付けたことを覚えてるかどうかは疑わしいですが、にゃんこスターに97を付けたのはさすがとしか言えません。

個人的には、あの審査員席に千原兄弟をいれてくれたらな、と思います。審査員のジュニアは誰よりも信頼できるんじゃないかなーと思ってます。昔、審査方法をめぐってオール巨人さんと揉めたこともありますし、一番誰のコメント聞きたいかって言われたらジュニアですね。松ちゃんが結構笑いに逃げちゃうところがあるので、そこがなー。設楽さんとかめちゃくちゃ真っ向からコメントしてて、日村さんも割とそうなんですけど、やっぱり、出てた人とそうでない人の差なのかなぁと思ったり。やっぱり、紳助さんも一切逃げずにバカ真面目にコメントしてましたもんねえ。松ちゃん、ばかまじめにやってくれ。。。

今回、斬新なものが前半からすごく多くて、それを一気に変えたのが、原点に近いにゃんこスターで、それが最も革新的に見えた。その結果、アキナ、GAG、ゾフィーがちょっと苦しんだのかなと。採点的にも。あと、この「馬鹿よ貴方は」の新道さんのラジオがとにかく聞き応え満載で、この中で言ってた「審査員席の後ろの1列目が可愛すぎる」問題。あの女の人たちはどこから来たんや・・・あの人たちはそりゃパーパーのあのネタでは笑わんだろうなあとか、思ってしまいました。だって、絶対彼氏からボタンもらうタイプなんだもん。

あと、ジャンポケのエレベーターのネタについて、「お金があるから出来るネタではある」とおっしゃっていて、小道具や大道具の段階で吉本には少しハンデがあるな、って気がしました。

youtu.be

今年のキングオブコント。めちゃくちゃ面白かったです。 「結果発表~!!!」に沸く出場者も良かったし、ただ、準決勝敗退の人たちがやっぱり決勝の舞台を観てるまなざしが好きなので、ネットでもいいので、やってくれないかなあとか思って。

 

次は、M-1!!!

こっちはさらに熱い人間ドラマのぶつかり合いですから、楽しみです!!