漫才性の違い

昨晩の Cygames THE MANZAI2017。

今この国のお笑いを支配しているのは松本人志とCygamesだろうな、なんて。

オリラジあっちゃんの発言。

そういえば皆さん、『天下を獲る』『天下を獲る』って芸人さん言わなくなっちゃいましたよね?
じゃあ『天下』って何なのか。私はこの数年間、M-1に優勝したり、番組のMCに抜擢されることを『天下を獲る』ことだと思ってたんですね。
だけど本当は違っていた。違ってたんですよ。
数多の実力のある芸人さんが『天下』を獲ろうとした、でも本当の意味では獲れなかった。
じゃあどうして獲れなかったのか。
各ジャンルのお笑いの大会を思い返してみましょう。漫才、M-1の審査員席に座っているのは誰なのか。コント、キングオブコントの審査員席に座っているのは誰なのか。大喜利IPPONグランプリトーク、すべらない話!一発ギャグ、笑ってはいけない24時!!
そうだよ、そうなんだ!!
何にしたってもそこに必ずあの人がいるじゃないか!!
あの人が『何が面白いか』っていう価値基準を決めてるじゃない!!
つまりさ、『“何が面白いか”っていう価値基準を決められる』、それが『天下を獲る』ってことなんだよ!!
そんなところで優勝なんかしてさ、『認められた』ってもさ、『天下』は獲れないじゃない!!
じゃあさ、本当に『天下を獲る』ためにはどうすべきか!!

……そう、そうなんだよ。
『天下を獲る』ために、オレたちがやるべきことはただ1つ!
松本人志、その人を倒すことだ!!!

https://blogs.yahoo.co.jp/poketto_1120freedom/40556828.html より)

ここに、女性芸人No.1決定戦「The W」までも入ってきた。日本テレビのやり方について思うところはなくもないけど、なんだかんだ、やっぱ上手いなと思います。

こうなると、もうR-1もやってしまえと思うけど、松っちゃんの中でのお笑い「個人競技」はおそらくドキュメンタルになるだろうから、ないでしょうね。

それと、CygamesM-1THE MANZAIキングオブコント、R-1のスポンサーで、完全にCygames がいなかったらどうなってるのだ、、。驚いたのは、テレ東の「にちようチャップリン」のスポンサーもしている。「にちようチャップリン」のグランドチャンピオン大会の賞金300万円て。確実に日本のお笑い界を支配してるといっても大丈夫。過言ではないです。

ちなみに、自分はゲームをしないけど、「プリンセスコネクト」のCMの曲がとにかく好き。なんか耳に残る。それも、なんで耳に残ってるかと言うと、ネタ番組をリアルタイムで観ると死ぬほど聞くことになる仕組みになってるからだ、とようやくわかりました。

 カナリア

カナリアが先日、解散を発表しました。M-1 2010ファイナリスト。時間があったので、久々にM-1の時のネタを見ようとしたのですが、彼らのネタって権利の都合でカットされてるんですよね。DVDでは、カットされてるの分かってたんですが、Amazonプライムでも見れないんですね。仕方ないなと思いつつ、そのままAmazonで過去のM-1色々見てました。あらためて気づいたこともあって、2007年は得点の上下差の開きがとてつもなく多かったことや、2008年のトップバッターのダイアン、すごい面白い、とか。あと、衣装が今ほどフォーマルな感じじゃなくて結構粗かった。あと、松ちゃん、POISON GIRL BANDに結構高得点つけるなあ、と思った。

M-1直後のラジオ「ダイアンのよなよな」でラストイヤーの話になり、「最後、そんなに気合入れて2回戦落ちとかやったらどうする?」という津田の問いに対して武智「カナリアさんか」と言っていたことは書かなくてもいいけど、書いておきます。

なんとなく、「漫才性の違い」ってワードはボケの安達っぽいなと思ってたけど、ボンちゃんの言葉でしたね。

t.co

THE MANZAI

で、THE MANZAIのお話。

今回から、ネタ前に各コンビのVTRが少し入るようになりました。あのVTRが入っただけで番組としての格がグッと上がったような気がしました。不思議です。今後もするでしょうな。

あのステージに立つには、チャンピオンである、圧倒的にお茶の間の顔なじみである、過去のTHE MANZAIビートたけしから褒められた、そしてプレマスターズから上がってくるこの4つの場合しかありません。そして、ENGEIグランドスラムと違い、こちらは漫才のみ。こんなこと言っちゃダメなんでしょうけど、やっぱり、上位3組くらいに賞金出してほしい。。。まあ、もうお金で本気出すような次元の人たちじゃないってのは分かるんですけど、収録日が二日あって、お客さんも違うし、なんか、こう「誰が一番面白かった」みたいなのを決めて見てほしい気もする。ゴールデンの冠番組とかならいいのかな。ただ、やっぱり、チュートリアルフットボールアワーおぎやはぎ、何かのネタはテレビはおろか舞台でもなかなか見れないから、やっぱりうれしいですね。特にチュートリアルは、あの2006年のM-1の時のネタの雰囲気がありながらも、ちゃんとした新ネタで、ゴリゴリのお笑い番組よりも華やかな番組で目にすることが多いから忘れられがちだけど、やっぱりとんでもない芸人ですね。そろそろ、ブラマヨさん、出ておくれ。。。フットボールアワーの漫才は常に構成力が高いなって思うのと、あれだけ後藤が司会で売れてるのに漫才の時にはのんちゃんと50-50の関係なのがすごくいい。それに対して銀シャリはボケ対ツッコミが4:6くらいの時が一番好きで、M-1から解放されてますます二人で楽しそうに漫才やってるの最高過ぎます。

THE MANZAIの最高傑作こと、ナイツ&ウーマンラッシュアワー

THE MANZAIで一番注目してしまうのはこの二組。ナイツはいつだって最高で、変化してくる。今回のネタは、自分たちのネタに飽きたからツッコミを変えてほしいと促して、他人のネタへと寄せていく。タカアンドトシ、カミナリ、オードリーというTHE MANZAIだからこそのチョイスと、普段絶対に叩かない土屋だからこそのチョイス。土屋のカミナリ・たくみ君が声質が似ていることもあり爆笑してしまった。ナイツはM-1 2008から2010まで出ていたが、インパクトとしては THE MANZAI 2011で、「のりピー」ネタをやったことの方が上で、あの年にナイツは漫才師としての格が一つ上がったと思ってます。

そしてそして、数日たっていまだに話題となるのがウーマンラッシュアワー

去年のTHEMANZAI2016で披露した「ファンクラブ」のネタは凄くカッコ良かったです。ワイドショーによってひどい目に遭わされた人をいじりながらも、ワイドショー側をも痛烈にいじってて。で、今回は漫才のパターンは同じで、ネタの内容は、「辺野古」「仮設住宅」「北朝鮮」「アメリカ」「日本」と、まあ政治色の強いものだった。ネタとしては去年の方が面白かったんだけど、話題になってるのは今年の政治風刺なネタ。一番は国民意識というところの皮肉に持っていくのがさすが、らしいなと。それは、漫才の面白さという評価軸ではなく、ゴールデン番組で思いっきり政治風刺をしたネタをしたことの是非について話題になってる。その議論に持ち込んだ時点で今回のTHE MANZAIで1番再生されるのはウーマンラッシュアワーだと思うし、勝者だと思います。

ウーマンラッシュアワー、特に村本は、常日頃から舞台の漫才は芸歴とか一切関係なくて、マイクの前では全員平等。その中で一番面白いのは俺だって普段から熱く語ってて、実際ルミネとか劇場でのウーマンラッシュアワーってホンマにすごいんですよ。あの早口、とんでもない声量でやってたりするし迫力が随一。で、今回のTHE MANZAI前も俺が一番面白いからなってAbemaの「THE NIGHT」で言ってたんですけど、ゴールデンの日本一の漫才番組で政治風刺をしたことが一番の見所になってて。確かにテレビのワイドショーがあまり言わない事実を伝えたことは大きいんだけど、あのネタが単なる街の人の声を拾いあつめたものに終始してる気がしました。ただ、ウーマンラッシュアワーの場合、拍手笑いがおきるのでなんの問題もないんですよね。うまい。

たとえば、これで、来年めっちゃアホなネタやったりしたら、ますますすごいなって、全員を欺いてくるなあと思いますし、あくまで今回のは一つの提案、主張だったと思うので、否定することは全くないし、姿勢は見事だと思います。

ただ、あのネタ、ほとんどをパラダイスに言わせてるのが、悪いな〜って思いますが笑

キングコングの同期

でも、誰も行ってないところを走るカッコよさを認めてない人はいないし、それが特に村本含めたキングコングの期には特に多いですね。キングコングNON STYLE、ピース、平成ノブシコブシウーマンラッシュアワー村本、南海キャンディーズ山里。そしてここにとろサーモン久保田がついに加わる。吉本以外なら、オードリーもいる。「ミレニアムズ」は無かったことにして、全員勢揃いさせた番組を何かやってほしい。番組じゃなくてもいいんですけども。新しい「芸人」観が構築されるとするならば、、絶対この世代しかないと思うので。

 

つまるところ、例えば、ウーマンラッシュアワーのあのネタに賛否が分かれるのも、M-1ジャルジャルをどう評価するのも、全ては一人一人の漫才性だと思うのです。

漫才に対する定義が芸人の間でさえも千差万別なのですから、観ている素人の我々がどう感じるかなんてもっともっと幅の広いものになるでしょう。でも、それで、それこそが漫才というものが日本に根付いた1番の要因なのだと思います。

唯一のルールは、センターマイクの前では、全員平等。

それ以外は、みんな違ってていい。

 

と思います。